学習法の辞典
各タイプのページに出てくる方法の、具体的なやり方と、合う人・合わない人。方法そのものに良い悪いはありません。「誰に合うか」があるだけです。

マーチン式(できないところは倍)
ギャンブルの「マーチンゲール法」(負けたら次は倍賭ける)から名前をもらった、ヒロ先生の呼び方です。お金では破綻する方法ですが、勉強では正しい方法になります。分野が変わると、ダメと言われたものが蘇る——この話の続きは 咲く場所を間違えない へ。
やり方
- 今日できなかった問題・単元だけを、翌日に倍の回数(または倍の時間)やる
- できたら、通常の回数に戻す。全部をやり直さない
- それでもできなければ、さらに倍。ただし「やり方を変える」のとセットで(同じやり方で倍やっても入らないことが多い)
- 学習ゲームの出題(間違えた問題が多く出る仕組み)は、これを自動でやっています
◎ 合う人
全タイプ。特に TYPE 01(手順が抜ける)と TYPE 03(記述が苦手)には、抜けた部分だけを集中して直せるので効果が大きい。
× 合わない人・注意
「全部もう一回」にしてしまう人。倍にするのは、できなかった部分だけです。
ボディダブリング
誰かが同じ空間にいるだけで、始められる・続けられる、という方法。見張りではなく、「ただいる」だけでいい。相手は勉強を手伝わなくていいし、別のことをしていてかまいません。
やり方
- 家族が同じ部屋で本を読む・仕事をする。横に座って自分の作業をするだけ
- オンラインの自習室・作業配信を開いておく(画面の向こうに人がいる)
- 猫や犬でもいい。詳しくは ペットと勉強 のページへ
- 図書館・カフェ・塾の自習室など、「人がいる場所」で勉強する
- 猫や犬がいない人は、猫カフェの静かな時間帯に本を持っていく。膝に乗ってきたらそのまま読む
- 運動が苦手な人は、大型犬の散歩が「始める」のボディダブリングになる(詳しくは ペットと勉強)
◎ 合う人
TYPE 06(動き出せない)に最も効く。TYPE 01、TYPE 05 にも。そしてADHDでない人にも(ヒロ先生は掃除のときにこれで動け、猫を抱っこしていると何時間でも本が読めます)。
× 合わない人・注意
人の気配が気になって集中できない人(TYPE 04 の一部)。その場合は、音のない部屋で、ドアを開けておく程度に。
ポモドーロ・テクニック
25分やって5分休む、を繰り返す有名な方法。ADHD向けには、25分にこだわらず10分・15分に縮めて使います。
やり方
- 時間を決めて始める(10〜25分)。タイマーをセット
- 鳴ったら必ず休む。休みは5分、立って動く
- 4回やったら長めに休む(15〜30分)
- 音のタイマーが嫌いな子は、振動か、砂時計で
◎ 合う人
TYPE 05(動いていないと働かない)、TYPE 06(始められない)。短い区切りが「始める」「続ける」の両方を助ける。
× 合わない人・注意
TYPE 04(過集中)には勧めない。集中が乗ったところで切られるので、本人には苦痛。このタイプは「区切りを先に決めて、まとめてやる」ほうが合う。
ライトナー式(単語カードの箱分け)
覚えたカードと覚えていないカードを箱で分けて、覚えていないものだけを何度も出す方法。マーチン式の、カード版です。
やり方
- 箱を3つ用意(毎日・3日に1回・週1回)
- 全部のカードを「毎日」の箱からスタート
- 正解したら次の箱へ、間違えたら「毎日」の箱に戻す
- アプリ(Anki など)や学習ゲームなら自動でやってくれる
◎ 合う人
暗記が必要な全タイプ。TYPE 02(言葉が強い)は語呂合わせを書いたカードにすると最強。TYPE 03 は絵つきのカードで。
× 合わない人・注意
カードを作る作業そのものに時間をかけすぎる人。作るのは最小限に、使うのを多めに。
最初の一歩を小さくする
「勉強する」ではなく「問題集を開く」「鉛筆を持つ」「1問だけ読む」を目標にする。始めてしまえば、たいてい続きます。
やり方
- やることを1つだけ、紙に書いて机に置く
- 「5分だけ」と決めて始める。5分でやめていい
- 最初の1問は、必ず解ける問題から
- 終わったら、終わったことを声に出す(「開いた!」でもいい)
◎ 合う人
TYPE 06(動き出せない)のためにある方法。TYPE 01 にも。
× 合わない人・注意
特になし。ただし、始まったあとの「続け方」は別の方法が必要。
外に書き出す(外部記憶)
頭の中に置かずに、紙・付箋・ホワイトボード・スマホに出す。頭の中の作業机が小さい人は、机を外に広げればいいのです。
やり方
- 手順を番号つきで書いて、机に貼る。見ながらやってよい
- 約束・持ち物は、その場でメモ。「忘れっぽいから書くね」と先に言う
- チェックリストで「今どこ」を見える形に。終わったら消す
- 長い説明を受けるときは、録音かメモの許可をもらう
◎ 合う人
TYPE 01(手順が抜ける)の基本。TYPE 06 の忘れ物対策にも。
× 合わない人・注意
書くこと自体が苦手な TYPE 03 は、写真・絵・スタンプで代用する。
図から入る/言葉から入る
同じ内容でも、「図を見てから文章」が入る人と、「文章で説明されてから図」が入る人がいます。入り口を間違えると、何時間かけても入りません。
やり方
- 図から入る人(TYPE 03):教科書を読む前に図・写真・動画。ノートはマインドマップや図解で
- 言葉から入る人(TYPE 02):図は「つまり○○ということ」と言葉に翻訳してから。暗記は語呂合わせとストーリーで
- 自分がどちらか分からないときは、同じ単元を両方の入り口で試して、楽だったほうを選ぶ
◎ 合う人
TYPE 02 と TYPE 03。入り口を合わせるだけで、「わかっているのに点にならない」が消えることがある。
× 合わない人・注意
両方を同時に「どっちもやりなさい」と押しつけること。まず片方で理解してから、もう片方で確認する。
動きながら覚える
歩きながら、立ちながら、何かを触りながら。体が動いているほうが頭が働く人には、座らせることが逆効果です。
やり方
- 単語帳を持って部屋を歩く。階段で音読
- 立ち机、バランスボール、足踏み台
- 書く・並べる・タップする、手を使う学習(学習ゲームが合う)
- 運動のあとに勉強。10分×5回の細切れで
◎ 合う人
TYPE 05(体が動いていないと働かない)。TYPE 06 のスタートにも。
× 合わない人・注意
音を立てる動きは周りの迷惑になるので、学校では「音のない動き」(足首を回す、膝の上で指を動かす)に変える練習を。
区切りを先に決める・切り替えの儀式
途中でやめられない人は、やめるタイミングを「途中」で決めるからつらい。始める前に決めて、毎回同じ動作で終わります。
やり方
- 始める前に「ここまでやったら終わり」を紙に書く
- 終わる5分前・1分前に予告(タイマーは振動か光)
- 終わる動作を決めておく(セーブする・机を拭く・一言つぶやく)。毎回同じにする
- 予定変更は、できるだけ早く知らせる
◎ 合う人
TYPE 04(切り替えが苦手)の基本。
× 合わない人・注意
途中で「もうやめなさい」と取り上げること。これは切り替えをもっと苦手にさせる。
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